銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

「盲導犬クイールの一生」その1

盲導犬クイールの一生」は、 石黒謙吾さん及び秋元良平さんの共著で、文藝春秋 社から出版され、その後、NHKドラマ化され、さらに映画化もされました。映画の題名は「クイール」です。

 私は、NHKBSプレミアムの「クイール」との題名で放送された映画を、録画に撮り、見せていただきました。

 私は、東京虎ノ門ライオンズクラブで、盲導犬の育成募金活動をしています。したがって、日本盲導犬協会の人たちとも親しく、盲導犬の育成募金活動をしており、映画の中にもしばしば出てくる盲導犬訓練士の多和田悟さんとも親しくさせてもらっております。

 

 ブリーダーの水戸家夫妻の下で5匹のラブラドル・リトリーバーの子犬が産まれました。水戸さんは、早速、多和田さんに電話を掛け、「どうしてもこの子らを盲導犬にしたい」と申し出ます。

 多和田(訓練士)さんは、「母犬が家庭犬であるので、血統からいって盲導犬には向かない」と言って申し出をお断りします。水戸さんは、「5匹とも、とっても賢い犬だから是非盲導犬にお願いします。」とおっしゃって、引き下がりません。

 多和田さんは、水戸さんの熱意に負け、「じゃあ、1頭だけですよ。」と、仮に引き受けます。水戸さんは、「どのようにして、1頭だけを選り分けたらいいのですか」と聞きます。そうすると、多和田さんは、「5頭に向かって、大きな声で『おいで』と呼び掛けてみてください」とおっしゃいました。水戸さんが5頭の子犬に『おいで』と呼びかけますと、4頭はすぐに水戸さんのところに来ましたが、後に名前を付けてもらった「クイール」だけは、遅れて来たのです。


 多和田さんは、「呼んで直ぐに来る子は、考えものです。盲導犬に向く子は、はしゃぎすぎない。声や音に反応しすぎないことが大事です。」「後で来ても飼い主の眼を見て「なに?」と尋ねるような子が向いている子です。」とおっしゃるのです。

 私は、東京虎ノ門ライオンズクラブの活動をしていて、上記のような話を聞いたことがあります。

 あるメンバーの方が、「盲導犬になれなかった子犬がほしいので、日本盲導犬協会の人に聞いてみてくださいませんか」と聞かれたので、私は、「分かりました。聞いてみてあげましょう」と言い、日本盲導犬協会の方に聞いてみました。

 そうすると、10頭の子犬が産まれても、その中でも盲導犬になれるのは、3頭か、4頭だけで、あとの6~7頭は盲導犬にはなれないのです。どうして盲導犬になれないのか、それは、上記多和田さんがおっしゃったように、余りにもはしゃぎすぎる子、他の犬から吠えられても一切これに応じない冷静な子が求められるのです。しかし、犬としては賢いし、訓練も受けていますので、犬が好きな人には非常に理想的なのです。


 しかし、日本盲導犬協会の方は、「家に誰かいらっしゃいますか。留守がちな方はお断りしています。それから、日本盲導犬協会も財政的に苦しいので、1頭につき、3万円~5万円を寄付してもらえませんか」というものです。そのメンバーの方は、留守がちだということで、結局辞退されました(つづく)

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清