銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

小学校高学年その6 お金

 このころ、本当に我が家にはお金がなかったと思う。
 1つには、家を建て替えたことである。昔の藁葺平屋建ての家から瓦葺2階建ての家に建て替えた。お陰で、2階には28畳の広い部屋ができたが、部屋を区切るお金がなかったのだと思うが、そのまま放置していた。ただでさえ、わずかな米の供出と割り木以外に収入がほとんどなく、お金が無かった我が家には、経済的に相当な負担だったと思う。
 2つには、私の骨折である。高槻の医者に通うならもっと安く済んだが、大阪の東淀川区柴島の接骨医に通ったので、倍以上の臨時出費が掛かったという。
 3つには、姉が大阪府立茨木高校を受験して不合格になり、お金が掛かる私立高校に通ったことである。姉は当初から茨木高校を受験したかったが、両親が入試の直前まで強く反対し、もっと易しい府立高校に通うように命じたが、姉はあくまで従わず、もし、易しい府立高校に行くなら勉強しないと言い張って、全く勉強をしなかったそうである。両親も最後に折れて茨木高校の受験を許したところ、それから猛勉強を始めたが、それが1か月前だったので、「とき、既に遅し」で、見事に不合格になってしまった。
 このような3つものお金が掛かるできごとが立て続けに起こったのだから、正に爪に火をともすような貧しい状況だったのである。
 私は、小学校4年生になったときだったが、姉に対し、「姉ちゃん、俺が仇をとって、必ず茨木高校に行ってやるから」と言ったのを覚えている。