銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

2014-01-01から1年間の記事一覧

大学42 論文式試験勉強

短答式発表の直前に、家庭内で引っ越しをした。 納屋の2階の6畳の押入れから、家の2階の6畳の部屋にである。前の納屋の押入れは、6畳はあったと思うが、古い荷物が半分を占めていたので、実質的には3畳くらいだった。新しい2階の部屋は、荷物は、私の…

大学41 短答式試験の発表

5月24日だったと記憶するが、短答式試験の発表があり、私は、運よく合格した。 合格者は、約2000人だったが、友人では、かなりの人が合格していた。中務ゼミでは、畑、町田、原田そして私の4人、法律相談部総務では、4人の総務のうち、錦織、北村、…

大学40 住友銀行の面接

短答式試験が終わって数日経ったときだった。 1年上の先輩の吉岡さんから自宅に電話が掛かってきた。 「田中さんでいらっしゃいますか。」 「はい、そうですけど」 「私は、法律相談部でお世話になりました吉岡で、今、住友銀行に勤務しているものですが、…

大学39 短答式試験当日

短答式試験は5月の第2日曜日に施行される。今でも、いつも母の日になると短答式試験のことを思い出す。確か昭和43年は5月12日だったと思うが、11日だったかもしれない。 「直前2か月で各5回、憲法、民法、刑法の教科書に目を通したので、何とかな…

大学38 短答式試験に向けて

昭和43年3月10日から、短答式試験に向けて猛ダッシュをかけることにした。短答式試験は、5月11日であるから61日ある。 このころになると、1時間に40頁は読めるようになり、西村先輩が言ったことが可能だと分かった。1日10時間の勉強をすると…

大学37 「悔しさに……」

3回生3学期の昭和43年3月9日だった。 私は、いつものとおり、法律相談部の部室で皆と冗談を言い合いながら遊んでいたとき、誰かが「おい、みんな、司法試験の願書を出したか?」と言うのである。 「ああ、出したよ」と私が言ったとき、林が「えっ、田…

大学36 競争率と短答式試験

私が受験したころの司法試験は、2万3000名が受験して500名が合格するという時代だった。 合格率は2.17%、競争率は46倍というものである。 そのころの司法試験は、短答式試験で2000名が合格し、論文式試験で520名くらいが合格し、口述…

大学35 落書きとその中身

今、当時の教科書を振り返って見ると、赤ペンで線が引いてあったり、青いペンで自分の考えが書いてあったりする。 今から思えば、正しいことなのか、間違っていることかの判断はつきかねるが、当時こんなことを考えていたという意味で、欄外の私の落書きを紹…

大学34 冬休みと刑法

大学3年生の冬休みを迎えた。冬休みは、12月20日から1月15日まである。 私は、この冬休みが勝負の冬休みと思っていた。 正月は2日休んだが、それ以外の日は、概ね10時間の勉強をした。以前に、13時間できた日は「磊」、12時間できた日は「轟…

大学33 岡山出張法律相談

3回生の2学期になって、岡山市で出張法律相談をすることになった。 岡山大学法学部の森下教授が法律相談部の先輩だったので、「もしよかったら、法律相談に来ていただけませんか」と呼びかけたところ、快諾のご返事をいただいた。とは言っても、当時岡山大…

大学32 3回生2学期の勉強

1日12時間、最低10時間の勉強を目標に掲げたが、なかなかうまくいかない。 まず、自宅から大学まで片道1時間40分ほど掛かった。週に5日は講義に出るので、講義に出た日は、家に帰っても余り勉強はできない。 土曜日は、法律相談日であり、総務を引…

大学31 中務ゼミでの発表

中務ゼミでの発表は、1か月に1回くらい回ってきたと思う。 私は、発表の度ごとに、誰も発表していない新しい説を考え、発表した。そのように、新しい説を考えるのが楽しかった。民事訴訟法は、新しい学問であり、まだまだ掘り下げるべき考えが埋もれている…

大学30 三ヶ月章東大教授の出張講演と「眼から鱗」

3回生の秋、三ヶ月章東大教授が京大に出張講演に来られた。 三ヶ月先生は、非常に話が上手な人で、人を惹きつける魅力があった。その中で、次のようなお話をされた。 「憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法いろいろな法律があります。労働法も…

大学29 中務ゼミ

予備ゼミも終わり、本ゼミが3回生10月から始まる。 一般学生に人気があるゼミは、民法と商法、司法試験を受ける学生に人気のあるゼミは、民法と民事訴訟法だった。そして、私は、考え抜いた結果、民事訴訟法を選択しようと思った。 司法試験を受ける者に…

大学28 K子からの別れ話

9月中旬のデートのときだった。白いワンピースの清楚な服装で現れたK子を、待ち合わせ場所である阪急電車高槻市駅で見たとき、今日は、これまでで、一番綺麗なK子だと思った。 南禅寺のインクラインを望む人影のない堤防で座っているとき、K子から突然別…

大学27 4回生の司法試験発表

毎年9月末ころに司法試験の合格者の発表がある。前年の昭和41年9月末には、4回生から5名の現役合格者があった。山下さん、塚本さん、浜崎さん、宮崎さん、横山さんの5名だった。ごく親しく私たちを指導していただいた5名の方が司法試験に現役合格し…

大学26 総務と総務ジンクス

大学3回生の8月末、後期の法律相談部役員の選挙があった。 その結果、後期委員長には斎藤、総務には私と坂本が選出された。この結果を受けて、私は「やられた」と思った。 それというのも、法律相談部の総務は、必ず司法試験に落ちるというジンクスがあっ…

大学25 司法試験の受験勉強(初期)

受験新報で、受験生はどんな本を読むのかについて調べた。そこで、受験生が多く読んでいる本を選んだ。 憲法1(統治機構)清宮四郎教授と憲法2(基本的人権)宮沢俊儀教授から始める。2つとも有斐閣の法律学全集である。昨年は、注釈日本国憲法で失敗したが、…

大学その24 講義と司法試験の勉強の開始

3回生になって、本格的に講義が始まった。 当時、司法試験の試験委員を見ると、京大の先生が6名で一番多く、次いで東大の5人だった。 司法試験科目は、すべて講義を聞くことにしたが、中でも真面目に出たのは、奥田正道教授の債権法、於保不二雄教授の親…

大学その23 法律相談部合宿

大学3回生になったので、法律相談部も、私たち3回生が相談部の中心になって活動することになった。4回生は司法試験の勉強があるので、土曜日の相談日以外は出てこない。 このような中で、私から、「合宿をやらないか」と提案したところ、ほぼ全員一致で合…

大学その22 北川予備ゼミ(保証債務)

北川予備ゼミでは、私は、保証債務を担当した。発表まで1か月程度の時間があった。 私は、保証債務のところを本で読み、さらに、「担保とはどういうものだろう」「北川先生が出された11題の担保とは一体どういう関連性があるのだろう。」と毎日のように考…

大学その21 北川善太郎予備ゼミ

京大のゼミ(本ゼミ)は、3回生の10月から4回生の9月(翌年)までである。したがって、本ゼミが始まる前の6か月間に、大学側の配慮で、予備ゼミを開いていただいた。この予備ゼミは、大学の助教授が中心となって希望者に開講するものだった。 3回生になっ…

大学その20 自宅へのK子招待と久敬会

K子から「田中さんのご自宅に伺ってもいいでしょうか」といきなり言われたのは、7月中旬ころだった。そういえば、彼女の家に招待されてから2か月以上を過ぎていた。その間、ほぼ3週間に一度ほどデートを重ねていたが、私の両親に対してK子を紹介してい…

大学その19 法律相談部の日常

法律相談部では、仲間や先輩と遊んだりして、楽しく過ごしていた。遊びでは囲碁が主流で、2人が対戦すると、周りを数人が取り囲み、岡目八目を言い合うというのが例であった。 法律相談部の部室には、①「国立女子大学として、御茶ノ水女子大学と奈良女子大…

大学その18 司法試験の勉強と挫折

司法試験がなぜ難しい試験と言われるのか。それはものすごい量の本を読み、理解しなければならないからだと思う。 憲法1、憲法2、民法総則、物権法、担保物権法、債権総論、債権各論1、債権各論2、事務管理不当利得不法行為、親族法、相続法、刑法総論、…

大学その17 法律相談部への入部

1回生のガイダンスのとき、法律相談部への入部案内があった。 法律相談部は、土曜日の午後に市民に対して生の無料法律相談をするクラブであり、西部講堂に専門の法律相談室があった。これとは別に、法経4番教室の隣に、70㎡くらいのかなり広い部室を部室…

大学その16 空手道部退部の誓い

K子の私に対する真剣な思いを知り、また、お爺さんから「結婚してほしい」と言われたことが私に重荷となったことは、前回に述べた。 しかし、3週間に一度はデートし、京都の名所を回った。京都の名所というと、寺院が多い。金閣寺、銀閣寺、詩仙堂、三千院…

大学その15 K子宅訪問

大学その10から、話が飛んでしまった。 善福寺の別れ際に、K子から「田中さん、子供の日の5月5日に、私の家に来ていただけませんか」と言われたことを書いた。 約束どおり、私は、5月5日にK子宅を訪問した。K子は一人娘であることを聞いていたが、…

大学その14 高地旅行

1年生の終わり、嗣郎と土居は、共に早稲田大学法学部に合格した。しかし、残念ながら、京大法学部は、2人とも不合格だった。 そこで、2人とも早稲田大学法学部に入学することになったお祝いに、私、池谷、嗣郎、土居と嗣郎の弟の康の5人で、四国に合格旅…

大学その13 大文字焼きと時代祭

8月16日は、大文字の送り火である。中学時代の親友であった片山と大山が、「大文字を見たい。行ってもいいか」というので、「いいよ」と迎えた。片山も大山も大学受験浪人をしていたが、息抜きに来たのである。 缶ビールとつまみを買って、吉田山に登った…