銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学その24 講義と司法試験の勉強の開始

 3回生になって、本格的に講義が始まった。
 当時、司法試験の試験委員を見ると、京大の先生が6名で一番多く、次いで東大の5人だった。
 司法試験科目は、すべて講義を聞くことにしたが、中でも真面目に出たのは、奥田正道教授の債権法、於保不二雄教授の親族・相続法、上柳克郎教授の会社法、大森忠夫教授の手形・小切手法、川端教授の商法総則・商行為法、溜池良夫教授の国際私法だった。それ以外の科目の講義も受けたのだろうが、面白くなかったのか、ほとんど記憶にない。
 会社法、手形・小切手法、国際私法は、外に本を読まなくても良い程度に、授業で頭に入れようと思った。特に、国際私法は、溜池教授は司法試験委員であり、丁寧に口授してノートを取らせてくれたので、司法試験のときにも江川教授の「国際私法」を1回読んだくらいで、ほとんど溜池教授のノートを中心にした。
 さすがに、7月の夏休みを迎えると、司法試験まで1年もない。
 来年5月10日ころには、司法試験の短答式試験がある。さらに短答式試験に合格すれば、7月1日〜5日には、論文式試験がある。
 司法試験まで1年しかないと思うと、焦った。「よし、本格的に勉強しよう」と思った。
 そこで、高槻市の図書館に行き、毎日勉強をすることにした。しかし、それも眠気との戦いだった。
 
 試験勉強を始めるに当たって、母に「司法試験は難しい。たいていの人が3年間くらい浪人するような難しい試験やけど、1〜2年浪人させてくれへんか」と頼み込んでみた。
 それに対する母の答えは、「あかん。落ちたら就職しなさい」という大学受験とときと同じように、非常に冷たいものだった。「いやあ、大学受験と司法試験は違うよ」といくら頼み込んでも、「あかん、絶対にあかん」「そんな難しい試験やったらやめとき。お前がどうしても受けたかったら、1回で合格したらええやないか」と冷たい返事は、変わらなかった。
弁護士 田中 清