銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学その18 司法試験の勉強と挫折

 司法試験がなぜ難しい試験と言われるのか。それはものすごい量の本を読み、理解しなければならないからだと思う。
 憲法1、憲法2、民法総則、物権法、担保物権法、債権総論、債権各論1、債権各論2、事務管理不当利得不法行為、親族法、相続法、刑法総論、刑法各論、商法総則商行為、会社法、手形小切手法、民事訴訟法、国際私法、会計学の19冊。平均350頁〜400頁として6650頁〜7600頁を読破し、かつ、これを理解しなければならない。また、事例問題などで即座に法律的な思考で短時間に論文にまとめ上げる能力が試される。
 大学2年の夏休みになって、そろそろ法律の本を読もうかと思ったが、何から手を付けてよいか分からない。そこで、受験新報という受験雑誌を見ると、憲法は、「注釈日本国憲法上巻、下巻」がよいと書いてあった。早速アルバイト賃をはたいて、高価な「注釈日本国憲法上巻、下巻」を買ってきた。法律書というものは、こんなにも高いものかとびっくりした。
 勉強方法は、全く分からない。受験新報の合格体験記を見ても、それほどピンとくる勉強方法は見い出せなかった。そこで、ともかく、私の中学時代からの勉強法を試してみようと思った。しかし、注釈日本国憲法上巻、下巻は、2つ併せて800頁あったと記憶する。
わら半紙を2つに折り、左に問題を、右に答えを書いていった。しかし、その作業は、遅々として進まず、1日20頁、40日も掛かって、やっと仕上げた。しかし、理解できたとは到底言えなかった。しかし、法律の文理解釈の仕方と比較法の大事さが分かったのは、この注釈日本国憲法上巻、下巻のおかげだったような気がする。
 しかし、やっと2冊、あと17冊と思うと気が重く、投げ出してしまった。
 弁護士 田中 清