銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学50 論文式試験合格

 9月1日朝、先輩の横山匡輝さんから電報が届いた。文面は、「ロンブンシキシケン ゴウカクオメデトウゴザイマス。」であった。横山さんは、法律相談部の2年先輩で、やはり司法試験に現役合格された方だった。
 ほとんど合格を期待していなかっただけに、本当に嬉しかった。K子に論文式試験合格を報告し、すぐに身支度をして、大学に行った。法経一番教室(時計台)の外に受験番号と名前が書いてあり、「田中 清」の名前も確かに記載されていた。中務ゼミからは、田中、畑、原田の名前があり、法律相談部同期からは、田中、片山、佐野、川瀬、大江の名前があった。法律相談部からは、毎年5名の現役合格者が継続しているので、今年も面目を保てたということである。しかし、一番残念だったのは、法律相談部総務の錦織、北村が落ちたことであり、悔しかった。総務ジンクスを破るのは、私の双肩に掛かっていることの責任を感じた。
 家に帰ったら、K子が大きな鯛を持って合格祝いに来てくれた。「口述試験は、9月23日から9月30日まであり、10月2日ころ合格発表がある。合格したら、しばらく遊んで来ようかな。」と言ったところ、K子はふくれっ面をして「もうーっ」と言って怒った。私は、「いいわよ」ということを期待していただけに、非常に残念な思いをした。「なぜ許してくれないのだろう。随分長い試験勉強だったから、しばらく遊んで来たら……」と言ってほしかったのに。

 夕方、京大を一緒に受験して、一浪して早稲田大学に行った土居に電話して、論文式試験合格を報告し、口述試験のための9月22日から9月30日までの宿泊所の手配を頼んだ。土居は論文式試験合格を喜んでくれ、宿泊所の手配も「分かった」と言って引き受けてくれた。

 とにかく、論文式試験が終わって9月1日まで、57日間、自慢にならないが、法律の本を1頁も開かなかったので、急に不安になった。
 夕食を食べてから自室に戻り、9月2日から9月21日までの20日間の詳細な計画を立てた。とにかく、11冊の本を必ず2回読むという計画である。
 口述式試験は、余ほどの失敗がない限り、落ちない試験と言われているが、現実に落ちている人がいるので、油断はできなかった。

 それにしても、なぜ論文式試験に合格したのだろう。やはり、榎本が言うように、「刑法第1問は、不法領得の意思をきちんと書き、使用窃盗の問題点は書いたので、保護法益の消極ミスは、そんなに減点されなかったのであろう。民事訴訟法第2問は、客観的予備的併合はほぼ満点に近いほどかけていたので、主観的予備的併合の消極ミスは、そんなに大きな減点にはならなかったのであろう。憲法1問は、あれ以上は書けまい。十分合格点だったのだろう」と思った。

弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)