銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学51 口述試験の勉強

 口述試験の勉強は、順調だった。その後、土居から連絡があり、「知り合いの人に頼んで、四谷の長崎寮というところで8泊頼んどいたよ」との連絡が入った。関西人である私は、四谷というと、あのお岩さんの四谷怪談しか思い浮かばないので、何となく嫌だったが、土居に対しては非常に感謝した。

 論文式試験のときと同じように、蒲団に入っても5時間しか眠れない日が続いた。1週間もすると首筋が非常に痛くなり、我慢ができなくなった。
高槻駅前の薬局に行き、症状を告げて相談したところ、「それは、寝不足と緊張からくるから、この薬を飲めばいいよ」と言ってくれた。「睡眠薬は入っていませんか。今、寝る訳にいかないんです」というと、「ほとんど入っていないよ。試験の前の日に飲んだらいいよ。そうすると、頭がスーッとして、実力が出るよ」と言ってくれた。
 家に帰って、どうしても首筋の痛さが我慢できなかったので、「試しに飲んでみよう」と思い、1回分を飲むことにした。そうしたら、その日から丸2日間、寝っ放しとなってしまった。起きて本を読んでも10分も続かないのである。また、すぐに寝てしまう。そのようにして、丸2日間寝てしまったが、首筋の痛みはすっかりなくなった。しかし、わずか20日間の中で2日間を寝てしまったことは、計画に大きな狂いを生じてしまった。
 しかし、この薬を、薬剤師が言うように、試験の前日に飲んでいたらどうなっていただろうと思うと、本当にぞっとした。これが、私の運の強さであろう。
 あとから、薬の説明書をよく見ると、精神安定剤であり、催眠作用を及ぼす薬も入っていたようである。

 9月中旬ころから、下の國雄兄に言って、口述試験の練習をしてもらった。受験新報に実際の口述試験の問題が出ており、問答方式で記載されていたので、兄に頼んで質問をしてもらい、私が答えるという風に進めた。兄は、法学部ではないので、答えが合っているかどうかは、分からない。したがって、兄は、「答えが違う」というのだが、私から「それじゃ、どんな答えやねん」と聞くと、受験新報に載っている答えを兄は答える。私は、「うん、その答えでもいいけど、俺の答えは、もっといいよ」などとのやりとりがあった。
 しかし、この口述の練習は、素人の兄が付き合ってくれたのではあるが、非常に度胸もついたし、有意義だった。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)