銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学39 短答式試験当日

 短答式試験は5月の第2日曜日に施行される。今でも、いつも母の日になると短答式試験のことを思い出す。確か昭和43年は5月12日だったと思うが、11日だったかもしれない。
 「直前2か月で各5回、憲法民法、刑法の教科書に目を通したので、何とかなるだろう。」という自信はあった。印象的だったのは、憲法で「全逓東京中郵事件判決・最高裁大法廷昭和41年10月26日判決」のそのままの判決に、穴埋めする形で試験問題に出たことだった。それだけで、3問くらいの量を占めていた。こんな穴埋め式で試験問題に出たことは過去には一度もなかった。
 もちろん、1年半前の判決で、世間を騒がせた判決だから、新聞などで読んではいた。しかし、教科書には、全く記載のない判決だから、受験生にとっては予想外の問題であったかもしれない。教科書にはなかったが、私は、2度ほど読んでいたので、正解を書いたと思った。

 試験後、法律相談部に行き、数個の問題について正解を探り合ったが、いずれも外れていないと思った。
 全体60問のうち、ゼロ回答も10問くらいあったと思う。
 短答式試験は、45問正解が当落ラインと言われていた。確実に間違えたと思う問題もなかったが、合格したのかどうかは、全く分からなかった。
 ともかく終わった。大学入試のときのように、風邪をひくこともなかったし、健康で受験できたことに感謝した。
 「明日からは遊ぶぞ」と心の中でつぶやきながら、帰途についた。

 弁護士 田中 清