大学26 総務と総務ジンクス
大学3回生の8月末、後期の法律相談部役員の選挙があった。
その結果、後期委員長には斎藤、総務には私と坂本が選出された。この結果を受けて、私は「やられた」と思った。
それというのも、法律相談部の総務は、必ず司法試験に落ちるというジンクスがあったからである。私の知る限りでも、2年上の総務4名(前期、後期)は全滅だったし、一年上の4回生の総務は、いずれも短答式で落ちていた。
4回生の話では、「2年上の総務も全滅だったし、これまで先輩に聞いた話でも、総務で司法試験に合格した人は知らない、だから総務ジンクスと言われている。」ということだった。
おそらく、総務は忙しい。それも3年生の10月から翌年の3月末まで(短答式試験の直前まで)という、司法試験受験者にとっては一番大事な時に忙しい総務をやるということである。それが総務ジンクスを裏付けているのかもしれない。
私は、「総務になったことは仕方がない。総務の仕事はきちんとやろう。そして、総務ジンクスは、自分で破ってやる。総務ジンクスを破らなければ、総務への成り手がいない。総務という重要な仕事に就いたがために、司法試験に落ちるというジンクスは、絶対に破ってやる。二度と総務ジンクスとは言わせない。総務ジンクスを死語にしよう」と、強く心に誓った。
そして、「私には、初代合宿委員長という役職もあった。合宿委員長は必ず司法試験に通るというジンクスを作れば、合宿委員長になりたいという人も出てくるだろう」とも思った。
それよりも、総務ジンクスを破ることが先決であったし、重要なことと思われた。また、面白い目標ができたと思われた。
弁護士 田中 清