大学34 冬休みと刑法
大学3年生の冬休みを迎えた。冬休みは、12月20日から1月15日まである。
私は、この冬休みが勝負の冬休みと思っていた。
正月は2日休んだが、それ以外の日は、概ね10時間の勉強をした。以前に、13時間できた日は「磊」、12時間できた日は「轟」、11時間できた日は「晶」、10時間できた日は「金」と書いたが、正月を除いて、毎日が「金」か「晶」であった。「磊」や「轟」もできた日もあったが、滅多にできるものではなかった。
しかし、この冬休みに、10時間以上の勉強を20日間以上続けられたことは、非常に自信がつき、大きかったと思う。
そして、この冬休みに、団藤重光先生の刑法の勉強をしていたとき、法律の面白さに直面した。前にも書いたが、このときに、三ヶ月先生のおっしゃったマグマとは何かが分かったような気がしたのである。そして、法律が面白いと感じたのは、それからである。
短答式まで、あと4か月を切っていた。しかし、これから3月末までは、講義と法律相談部とその総務の仕事が待ち受けていた。正に正念場であった。
このころになると、法律の本は、1時間に20ページ以上読んでいたと思う。そして、この冬休みに、憲法、民法、刑法以外の科目である、商法、民事訴訟法、国際私法、会計学も一通り勉強した。
失敗したのは会計学である。受験新報で、「いやしくも、司法試験を受ける者は、500ページの会計学の本を避けてはならない」と書いてあり、その人が勧める540ページの会計学の本を買って読んだことである。結果として、この本の読破に4日間を費やしたこと、内容がそれほど大したことはなかったことである。
やはり、他の受験生が勧める佐藤孝一先生(司法試験委員)の「財務諸表通論」で充分であったことが後に分かったことが悔しかった。
弁護士 田中 清