中学校その15 不良中学生との交流
3年生のクラスでは不良中学生が少なくとも3人ほど居た。
仮に、A、B、Cとしておこう。しかし、私は、この3人とも仲が良く、一緒にふざけあった。特に、AとBは、背が高かったので、私と同じく教室でも後ろの方に席があった。
「清っちゃん。トランプをしようや」と誘われるのには、少し困った。大抵は、ポーカーだった。なぜなら、私は、予習復習を、原則としてしない立場だったので、授業に集中する必要があった。しかし、折角の誘いなので、何回かは付き合った。してはいけないことをするのは面白いものである。大抵、Aと悦子と私の3人でポーカーで遊んだ。
A、B、C共に、町での不良遊びに私を誘うことがなかった。それが幸いだったと思う。しかし、私は、片山と一緒にAの家に三度ほど遊びに行ったこともある。
私のクラスは、私、中村、片山の3人が中心となって回していたが、クラス全員が仲良く遊んでいた。不良中学生も外では喧嘩が強く暴れていると聞いたが、私や中村の前では、A、B、C共に、いずれも面白くはしゃぎまわっている1人の中学生だった。
クラスでは、休み時間になると机を2つ寄せ、真ん中に下敷きを立てて、よく卓球をした。片山が一番強かったが、A、B、Cを含むクラスのほとんどの生徒が参加し、教室では笑い声が絶えなかった。
今から思うと、高校受験を控えたクラスとはとても思えないほど、活気に満ちた明るいクラスだった。この明るいクラスの雰囲気を作っていたのは、実は、A、B、Cの働きが大きかったと思う。誰も長期欠席をしない、陰湿ないじめもない、本当に楽しいクラスだった。