銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

中学校その17 礼子との恋

 クラスは、相変わらず笑い声が絶えない楽しいクラスだった。
 私は、礼子のことをどんどん好きになっていった。礼子も背が高かったので、私と同じくらい後ろの席だったが、礼子の姿を眺めては心が落ち着くことを感じていた。
 しかし、そのことは、誰にも言わなかったし、もちろん礼子に打ち明けることはなかった。
礼子には、想いを打ち明けなかったが、礼子との仲は非常に良好だった。礼子は、私に対しては、「清っちゃん、○○して」というように、積極的に話しかけてきた。私も礼子から頼まれると嬉しくて、できるだけそれに応えた。
 あるとき、礼子から「清っちゃんは、いつも遊んでばっかりで勉強してへんのに、何でそんなに成績がいいの」と聞かれたことがある。私は、返答に困って、「何でかと言われても困るけど」と言って笑って返した。礼子は、「すごいね。いい勉強方法があったら、教えてね」と言われたが、黙って笑顔で返すだけだった。このとき、丁寧に教えてあげたら、愛はもっと発展したかもしれないのにと、後になって思った。
 このときは、クラス全体でのなかでの私と礼子であり、ごく自然な交際だったし、誰も私が礼子のことを好きであることを知らなかった。

 後日談ではあるが、私も礼子も早生まれなので、1学年下の人たちと成人式が一緒だった。私たちの学年は、成人式出席者全体の2割程度であった。おそらく高槻二中の出席者は、40人くらいだったと記憶する。
 私たち1学年上の二中の出席者は一か所に集まり、騒いでいたが、EとFが、「あっ、礼子や。きれいになったなあ」と叫んだ。その後、EとFが、「おい、礼子。これから遊びに行こうや」と声を掛けたところ、礼子は、即座に「嫌や」と断ったが、その直後に私の方に右手を出して、「清っちゃんとやったら行くわ」と言ってくれた。
 私は、当時付き合っていた女性が居たので、「行く」という返事ができず、礼子に恥を掻かせてしまった結果になったが、礼子の気持ちを初めて聞いたことが嬉しかった。