銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

中学校その18 中3の3学期

中学3年生も終わりに近づいてきた。
クラスは、相変わらず賑やかに、休み時間になると机を2つくっ付け、間に下敷きを挟んで、卓球をしていた。
三学期に入っても、受験勉強をする雰囲気はなかった。
卒業式が近付いたころ、サイン帳にサインを求めることがクラスで流行した。初めは、女生徒の方から流行りはじめたのだが、そのうち男子生徒も含めクラスの7割くらいの生徒がサインを求めてきた。私は、サイン帳を買わなかったが、サインには誠実に応じていた。
礼子から「清っちゃん、サインして」と言われたときには、念入りに絵を描いてサインしたので、他の女生徒から「礼子だけずるい」と言われた。
礼子は、未だにサイン帳を持っているだろうか。絶対に持っていないだろう。
あれからいろいろな人生があった。礼子は、結婚もしただろうし、子供も居るに違いない。3年生の正月に一度年賀状をもらっただけで、ずっと音信不通である。それから再会したのは、前回書いた成人式のときであり、それ以降は一度も会っていない。
前に書いたように、私の初恋は、礼子だと思っている。

弁護士になってから小樽に出張したとき、あるホテルの和食レストランで、依頼者から「ここのおかみさんは、○○レイコさんという人です。」と言われ、本当にびっくりした。同姓同名だったからである。聞くと、年恰好も随分似ている。「まさか、礼子では……」と思い、お会いするまで胸が高鳴った。
しかし、現実は人違いであり、姓は同じだが、名前は怜子だった。もちろん、顔も違う。でも、初恋は、この年になっても私の胸をときめかせることが分かった。
 弁護士 田中 清(銀座ファースト法律事務所)