大学その９ Ｋ子のこと

　読書研究部の後輩に、綺麗な女生徒のＫ子が居たこと、Ｋ子とは大学に入ってから付き合うことになることを、高校８で述べた。
　実は、昭和４０年８月に読書研究部の合宿に招待され、能勢のお寺の合宿に行ったことがあった。そのときの合宿にＫ子も来ていたが、いつものセーラー服でなく、私服だったので、一層綺麗に見えた。
　昭和４１年３月末頃、約束どおり南陽院を引き払って自宅から通うことにした。

　私は、大学１年生のとき、彼女は高校３年生だったので、デートに誘うことはもちろん差し控えた。
　しかし、大学２年生になった春休み、４月上旬のことだった。もう、彼女も大学に入ったのではないかと思い、電話を掛けてみた。「今度の４月６日に、京都に行かない？国鉄高槻駅の改札に、午前１０時に待ち合わせよう」と声を掛けたら、「ありがとうございます。是非、行きます。」とのことだった。
　その日は通い慣れた南禅寺の山門から、将軍塚、哲学の道などを歩いた。私は、彼女の１年先輩だったからか、ずっと私に敬語を使って話したが、それが私には堅苦しく感じられた。しかし、憧れのＫ子と初めて過ごした楽しいデートだった。
　３週間後に会うことを約束して、午後５時ころ高槻駅で別れた。
　弁護士　田中　清