銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

出生その5ー春その2

春には、つつじ山の山つつじが満開になり、山一面が紫色に染まる。
フキノトウも随分あったが、母が嫌いだったせいか、食べた記憶はない。
山にはタラの芽もあったが、フキノトウも含めて、これらがおいしい天ぷらの具になるということは、結婚してから知ったことである。
その他にも、いろいろな山菜が採れたと思うが、家で食べた春の山菜は、ワラビとタケノコくらいである。
家の庭に、桑の大きな木があった。6月ころ濃い紫の実をつける。「赤とんぼ」の歌に出てくる「山の畑の、桑の実を小籠に摘んだは、まぼろしか」の歌詞にある、桑の実である。甘酸っぱくてとてもおいしかった。
小学生のころ、蚕を飼うことが流行った。桑の木のある家が少なかったので、友達が桑の葉を毎日のようにもらいに来た。
その桑の木が、小学校4年生のころに、枯れた。その朽ちた桑の木の根元から、キノコが芽吹いた。キノコの傘の直径が10㎝にもなった。母は「これは、桑タケといって食べられるんやで」と言いながらお吸い物などに入れた。毒キノコが多い中で随分思い切ったことをしたものだが、家族全員中毒にもならずに済んだ。余りおいしいという記憶もないが、シメジのような味だった。母は、同時に「桑タケの他にも、椋(ムク)タケ、柿タケなど食べられるキノコはたくさんあるよ」と教えてくれた。そういえば、エノキタケも榎の木に生えたキノコかもしれない。
シイタケの原木からは、春シイタケが採れたが、これは、人工的に原木を作るので山菜とはいえないだろう。
春には、レンゲが一面に田んぼを紫色に染める。後日、これは自然に生えたものではなく、種を撒いていると聞いた。レンゲは、マメ科なので根に根粒バクテリアができる。根粒バクテリアは、空中の窒素を硝酸イオンに変え、これを植物に与え、植物は根粒バクテリアに水や栄養分を与えていると聞く。確かに、レンゲを引き抜いてみると、根にはイボのような根粒バクテリアが、いくつもくっついている。
つつじ山には、山桜の巨木があり、自宅の正面に良く見える。つつじ山の山桜の巨木が花を散らすころ、春が終わる。
弁護士 田中 清