銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

出生その11 自然薯

秋は、稲の他にも、大豆、柿、栗、サツマイモなどの収穫があった。柿とサツマイモの蒸かしたものは、子供の日常的なおやつであった。自宅には3本の柿の木があり、畑などにあと5本ほどの柿の木があった。自宅の3本の柿の木は、一本で100個以上の柿が採れたので、子供の秋のおやつには適していた。
父親と一緒に山に出掛け、自然薯を掘った。自然薯は、山芋のことであり、長いハート形の葉が特徴であり、その黄色くなった葉を探し、その蔓の太さを見てその根元を掘る。自然薯は1メートル前後の長さがあり、非常に傷つきやすいので、なるべく坂になっているところの蔓を探し、蔓の1メートル手前から掘っていき、最後は慎重に鎹(カスガイ)を使って薯を傷付けないように掘り進めた。自然薯は、上の方は細く、下に行くほど太くなり、おいしくなる。
父と一緒に1時間ほど掛けて1本の自然薯を掘り、3本も掘れば山を下りる。
自然薯は、きれいに洗って皮をむき、すり鉢の上で大根おろしで薯を摺る。摺り終わると、スリコギで更に摺り、粘り気が出てスリコギが動かなくなるまで摺る。
母は、別に味噌汁を鍋一杯煮ている。味噌汁を杓子一杯入れ、スリコギでまた摺り、味噌汁と薯が馴染めば、次の味噌汁を入れる。こうしてできた薯汁を麦ごはんにかけて食べる。
自然薯は、長芋よりも粘り気があり、実に美味しい。
                                   弁護士 田中 清