銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

出生その18 本山寺とポンポン山

 本山寺は、神峯山寺から1時間くらい山道を歩いたところにある。神峯山寺の奥ノ院と呼ばれているが、実は696年と神峯山寺よりも創建が1年早い。つい最近まで電気が通っていなくて、ランプでの生活であった。やはり毘沙門天を本尊とし、役行者が開いたと言われ、大阪城からみて北東の鬼門に当たるので、豊臣秀吉も加護を願ったといわれる。
 村では本山寺への信仰心が強く、初寅の行事も本山寺の初寅の方が有名だった。だから、実家でも張り子の寅を買うときは、必ず本山寺のものを買っていた。
 本山寺の裏道からポンポン山に通じる道があり、約1時間でポンポン山の山頂に達する。ポンポン山は海抜679メートルで、北摂一の高い山である。頂上で飛び上がるとポンポンという音がするところからポンポン山と名付けられているという。ポンポン山の隣に釈迦岳があるが、海抜は631メートルとポンポン山よりも低く、登る人は少ない。知らない人に「ポンポン山に登った」と言ってもバカにされるが、「釈迦岳に登った」というと、「すごい」とびっくりされる。
 本山寺の裏の山道を降りると滝があり、滝の上に毘沙門天銅像がある。母を案内したところ、霊験あらたかだと言って非常に喜んでくれた。

 本山寺の住職の息子KU君と神峯山寺の住職の娘KOさんは、小学生の同級生だった。
 茨木高校時代、本山寺の住職に頼み込み、2年連続で読書研究部の合宿をさせてもらったことがある。住職の合宿を認める条件は、「自分たちが食べるお米は、自分たちで持ってきなさい。」ということだった。お米を担いで寺まで持って上がるのは、それほど大変だったということである。住職は、仏教、とりわけ天台宗というものは、どういうものかということを2時間くらいかけて話してくれた。その中で、「人間が生まれるということは、太平洋の海水の1滴を掬い取るに等しい、だから、親からいただいた生命は大切にしなければならない」とおっしゃっていたことが印象に残っている。
 担任の先生と一緒に、2年連続で十数名の仲間と2泊3日の合宿をした。キャンプ・ファイアーで、皆と歌ったこと、その後ランプ・ファイアーと称して、先生や先輩から怖い怪談を聞いたことが忘れられない思い出である。