銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

出生その20 幼い日の記憶

出生してから小学校までの記憶は3つくらいしかない。
1つは、けだるい夏の午後である。昼寝から覚めた私は、縁側に座りぼんやりと外を眺めていた。家は藁葺きの古い家であり、明らかに3歳くらいと思う。兄も姉もいない。ただ昼寝から覚めた私が居る。
2つは、夜の土間でランプの灯が見える。私は、吃って声がなかなか出てこない。苦しくてしようがない。しかし、声は出ない。後で、大きくなってから母に聞くと、下の兄が、私が喋ろうとする前にその言葉を言ってしまう。それで、私はひどい吃りになってしまったというのである。今でも暗い土間で声を出そうとしても声が出ない私が思い出される。
 もう1つは、迷子になったときの記憶である。これも3歳か、4歳の記憶である。私は、和室の宿直室のようなところに居た。それだけの記憶である。
 母に聞くと、小学校6年生の長兄、4年生の姉、2年生の次兄が、いずれも優秀賞を取ったので、4人の子供を連れて大阪の百貨店に買い物に出かけたそうである。次兄と私は5つ年が違うのでやはり3歳くらいのときである。そのとき、私1人で母の手を振りほどき、スタスタと歩いて百貨店から出たのだという。父母は気が狂ったように私を探し歩き、警察に行ったところ、○○駐在所で私に似た男の子が保護されているという。父母が警察に着いたとき、お巡りさんと私はキャッキャッといって遊んでいたという。父母が喜んで私を抱き上げたとき、「お母ちゃん、どこへ行ってたん」と平然と言ったので、母は、呆れてものが言えなかったという。