中学校その9 中学2年生の同窓会
中学2年生の学芸会出演者12人組は、余りにも仲良く遊んだので、誰からともなく、「同窓会をやろう」ということに決まった。
7月末、場所は茨木市の山側の龍仙峡に決まった。少なくとも10人は集まったと記憶している。
中村も片山も来たし、久美も淳子も政子も来ていた。お昼ごはんを食べ、川に入って魚の手掴みをした。岩の下に隠れている魚を両側から手を差し込み、手で掴むのである。魚を手で掴めたのは、私だけだった。「清っちゃん、すごいね」と、久美に言われ、得意になって、手掴みを続けた。
1時間も手掴みで遊び、10匹ほどの魚を捕った後、河原で焚火をし、魚を焼いて食べた。その後、河原でハンカチ落としをしたり、社長部長をしたりして遊んだ。
久美は、常に笑顔を見せていた。その笑顔はこぼれるようであり、可愛かった。エクボが深く日差しが頬に当たり、影を作っていた。久美の笑顔を見るだけで、この場所に、久美と自分がいることに幸せを感じていた。中学3年生になって、久美とこれほど長い時間遊んだのは初めてであった。
「また、来年もやろう」
誰からともなくその言葉が出ていた。それほど12人組の団結が強く、一緒に居るだけで楽しかったのである。