高校その５ 読書研究部のクラブ昇格

　読書研究部は、クラブではなく同好会であったことは前に述べた。クラブと同好会の違いは、クラブ費の支給の有無だけだったと思う。活動場所はあるし、顧問の市川先生も居た。毎週１回集まって、いろいろなことを話したり、ゲームをしたりして遊んでいた。
　その中で、クラブに昇格してクラブ費の支給を受け、校内でクラブとして認められようという声が上がってきた。
　１年生の１１月ころ、私は、市川先生にクラブへの昇格の手続を聞いた。それには、クラブ昇格願いを提出し、全校生徒集会で過半数の賛成を得ることが必要であることが分かった。さっそく部会に諮ったところ、クラブ昇格をすることを全会一致で承認された。
　臨時全校生徒集会は、１２月初旬に開催された。部長は、全校生徒集会で、読書研究部がクラブ昇格すべきであることを説明しなければならない。
　私は、今でこそ、人前で話す職業に就いているが、この全校生徒集会という大勢の人前で話すことは初めての経験だった。
　あがってしまって、真っ赤になり、何を話したか全く覚えがない。しかし、ほとんどの生徒が賛成の起立をしてくれ、クラブ昇格が認められたことが何よりも嬉しかった。
　こうして、読書研究部の部長としての最初の仕事が達成された。
弁護士　田中　清（銀座ファースト法律事務所）