銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

高校その10 文化祭と沖縄

 高校2年生の時の読書研究部の文化祭が迫ってきた。私は、前年が「韓国」だったので、「沖縄」にしようと、提案し了承された。
 当時の沖縄は、未だアメリカ軍占領下にあった。
 そこで、沖縄について、私なりに調査したし、沖縄タイムズの大阪支社にも訪問した。
 私は、それまで沖縄について無知であり、沖縄の方に失礼な話しだが、沖縄に住んでいらっしゃる方々が、私たちと同人種なのかという点についても確信が持てなかった。
 しかし、沖縄について調査するうちに、沖縄言語は大和言葉と同根の言語であり、明確に日本人であることが分かった。
 すなわち、「メンソーレ」は「参り候え」がなまったものであり、西を「イリ」と読むのは日が入る方向という意味である。このほか「親」は「うや」、「天」は「てぃん」、「星」は「ぶし」などと訛るが、「花」は「はな」、「山」は「やま」、「船」は「ふね」である。
 すなわち、本によると、沖縄の人々は日本人と同根であり、同じ言葉から派生したものであるが、別れた時期は約1100年くらい前の平安時代前期であっただろうと結論付けていた。そして、平安時代前期に分かれた言語でも、「花」や「山」や「船」などの基本的な言語はそれほど変化しないとも記載されていた。
 もう1つ、日本人の起源は、マレー・ポリネシア人種(台湾の高砂族は、マレー・ポリネシア人種であることは通説である)とアイヌ人種、それに朝鮮人、中国人の混血であるという説がある。また、原日本人は、ずんぐりとした毛深い人たちが住んでいた、その日本の真ん中に大陸から毛の薄い背の高いスレンダーな人種が攻め込んできたので、ずんぐりとした毛深い人たちは、東北以北、九州以南に追いやられた、だから東北以北、九州以南には、ずんぐりとした毛深い人たちがいて、日本の真ん中には毛の薄い背の高いスレンダーな人が多いのだという説もある。
 この文化祭をきっかけにして、私が沖縄の人を見る目が変わったというのが実感である。
 それから50年経った今でも、「沖縄の人は、同じ人種ですか」という質問を受けることがある。その度ごとに、私は、「沖縄の人たちは、同じ日本人です」と強調し、上記の派生の歴史を教えることにしている。私がそのように伝えた人は、300人を下らないと思われる。
 日本人であろうと、他の人種であろうと人間としての尊厳に何の区別もあってはならないが、すくなくとも、同じ人種としての親しみをもって沖縄の人たちと接したいというのが偽らざる気持ちである。

弁護士 田中 清(銀座ファースト法律事務所)