銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

高校15 いたずら

 高校2年生の終わりか高校3年生の初めだったと記憶するが、ガラクタグループの井上が「中辻(仮名)に嘘のラブレターを書いて、日曜日に引っ張り出さへんか。田中、お前は文章がうまいから、お前が女になりすましてラブレターを書けや」と持ち掛けられた。
 中辻は、今でいうイケメンで爽やかな性格だが、付き合っている女性が居ないことは分かっていたし、どことなく女に飢えている風でもあった。明るい性格でもあったので、いたずらをしても笑い飛ばしてくれるという自信もあった。
 私は、「分かった。やろう。やろう。俺が文章を作るから、手紙の文面は、矢野に書いてもらおう」と言った。矢野は、ノートの字を見ても女文字の綺麗な字を書いていたから、矢野が適任だというわけである。矢野も笑いながら引き受けてくれた。
 そこで、井上と打合せをして、「寝ても覚めても、ずっと中辻さんのことが好きで忘れられません。日曜日の午前10時に校門のところに来てくださいませんか」旨の2枚にわたる渾身のラブレターを書き、それを矢野が清書して、井上が投函し、井上が日曜日の午前10時に校門で見張っていたのである。
 案の定、中辻が時間になって校門に来た。物陰に隠れてその様子を見ていた井上が、30分後に笑い転げながら中辻に真相を暴露したという顛末である。
 月曜日、私が中辻と顔を会わせたら、中辻が笑いながら「やりやがったな」と言ったので、「ごめん、ごめん」と謝った。

 このことを下の兄に話したら、「その話は面白い。新聞に投稿しよう」と言って、物語を変えて投稿した結果、翌週の新聞の「物語」欄に掲載された。その結果、兄は「2000円もらったぞ」と言っていた。
弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)