銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

高校32 入学試験2日目

 入試2日目になると、熱は37度くらいに下がった。しかし、薬の副作用からか、菌がお腹に入ったのか、激しい下痢になり、水のような便が頻繁に出るようになった。
 もう1つは、白金カイロを背中とお腹に一つずつ巻いていたのだが、低温火傷をしたらしく、猛烈な痒みを伴った。
 母は、他の母親と5人組の仲間ができ、それが楽しいらしく、2日目も付いてきた。
 試験2日目午前は、国語だったが、余り出来は良くなかった。これまで、国語はほとんど勉強しなかったが試験の成績は良かった。しかし、今回の入試の国語は、余り出来が良くないことは、自分でも感じていた。
 2日目午後は、社会である。日本史と世界史だが、ごく普通にできたと思う。良くもないが、悪くもないといったところか。
 激しい下痢だったので何度もトイレに行ったが、試験官が嫌がりもせずトイレに行かせてくれたことに対して、本当に感謝した。
 帰りに嗣郎が、「明日、生物やけど、分類を勉強してへんねん。分類が出たら困るなぁ」と言っていた。私は、嗣郎に、「分類なんか、20分もあれば勉強できやろ。帰って勉強せいよ」というと、嗣郎から「清さんみたいに、そんなに早くできるかいよ」と言われたことを覚えている。「まあ、20分は無理かもしれないが、1時間もあれば勉強できるのに」と心の中でつぶやいた。
 自宅への帰りに高槻駅前の薬局に立ち寄り、下痢止めの薬を買った。薬局の人から「これは良く効くよ」と言われて、田辺製薬の「エマホルム」を買った。説明書を読むと、乳化キノホルムといって、キノホルムという下痢に作用する成分を、吸収し易くするように、乳化してあると書いてあった。
 キノホルム製剤が、スモン病の原因となる可能性が高いとして、製造販売禁止になったのは、これから3年後のことであった。

 後に、裁判官になったとき、スモン病の裁判を担当することになった。スモン病の原因としてのキノホルム製剤を販売した武田製薬、田辺製薬、チバガイギー社が訴えられていた。
 高校時代、下痢がちであった私は、チバガイギー社の「エンテロヴィオホルム」、田辺製薬の「エマホルム」は、常備薬のように良く飲んでいた。スモン病にならなかったのが奇跡である。
 自宅に帰って、生物の100枚の藁半紙を勉強した。
 弁護士 田中 清