高校３３ 入学試験３日目

　母は、３日目も付き添ってきた。「もう来なくていいよ」と断ったが、５人組のお母さん方と約束しているからと言って付いてきた。もう息子の体調を心配するというよりも、５人組との付き合いが楽しいようだった。母を除く四人のお母さんは、いずれも現役で、小倉、岡山、徳島、福井の出身のお母さんで、誰もが高校の先生に、「確実に合格できる」と言われていると話していた。やっぱり優秀な受験生が多いんだなと改めて思った。
　最後に、「入学式にお会いしましょうね」と言って別れたそうである。「えっ、入学式も来るつもり？カッコ悪いなぁ」と言ったのを覚えている。

　入学試験３日目になって、下痢が治まった。熱も平熱になり、初めてベスト・コンディションの体調で入試を受けることができた。しかし、白金カイロの低温火傷は、かなり重症で、相当痒かった。
　３日目は、化学と生物であった。これも社会と同じく、良くもないが、悪くもなく、ごく普通にできたと思う。

　終わった！！久しぶりの解放感だった。
　母から「試験、どうやった？」と聞かれたが、「落ちたよ。頼むから浪人させてほしい。お願い」と訴えた。
　「あかん。あかん。滋賀大(二期校)に合格するように頑張りや」と冷たく突き放された。
　弁護士　田中　清