銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

大学その12 祭りのアルバイトその2

 大学1年生のとき、祇園祭にも空手道部から参加しろとの命令があった。
 祇園祭は、葵祭時代祭とともに、京都三大祭りの1つと言われている。また、大阪の天神祭、東京の神田祭とともに、日本三大祭の1つでもある。
 祇園祭は、宵山、宵々山、宵々々山から始まる。京都四条通に、長刀鉾、月鉾、放下鉾、菊水鉾などが並び、粽(ちまき)などが売られている。「コンコンチキチ」という祇園囃子が、各鉾から流れている。
 初めての年なので、宵山に行ってみた。今でこそ、優雅な雰囲気だと思うが、大学生のころは、なぜ宵山に70万人の人出があるのかが理解できなかった。
 山鉾巡行は、7月17日である。長刀鉾が先頭であることは毎年決まっているが、それ以外の30余りの山鉾は、抽選で決められるのだと先輩から聞いた。
 私たちは、先頭の長刀鉾を曳いた。当時は、市電が京都市内を走っていたので、山鉾が通るときは、市電の架線を切って通すのだということを初めて知った。空手道部のアルバイト生は、鉾の前の綱を引くのが役割だった。
 辻巡りといって、四辻を直角に回るときは、青竹を敷いて思い切り引っ張って回していく。そして、鉾の上では、小学生か中学生の男の子が、「えんやらやーのえんやらやー」と言いながら扇子を前に出しているのが目に浮かぶ。
三時間ほど長刀鉾を曳いた後、アルバイト賃として、1700円をもらった。クラブに1000円を徴収されたので、700円が手元に残った。葵祭と比較しても、500円も多かった。貧乏学生としては、本当に嬉しかった。
 弁護士 田中 清