銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

死体解剖見学

 検察修習だったと思うが、大阪大学附属病院において、死体解剖の見学があった。
 死体解剖には、司法解剖行政解剖がある。
 司法解剖は、検視または検案によって犯罪性があると認められた場合であり、行政解剖は、死体解剖保存法に基づいて主に監察医が行う解剖のことをいう。また、行政解剖は、主に死因の判明しない犯罪性のない異状死体に対して、死因の究明を目的として行われる。
 検察官としては、司法解剖を見せたかったと思うが、この日は、行政解剖しかないということで、行政解剖を見学した。
 死体は、60歳くらいの男性であった。監察医が淡々とメスで体を開いていくが、内臓を開いたときの匂いが凄かった。25人の修習生のうち、2人ほど気分が悪くなったほどである。
あとは、中学、高校の理科(生物)のときに習った人体解剖図と同じだなと思った。監察医は、「この人は、お酒を相当飲んでいましたね。肝臓が腫れています。それに肝臓の色も悪いです」などと言いながら肝臓を見せる。また、「タバコも相当吸っていらっしゃったのでしょう。肺の色も悪いです」などという。
 
 とにかく、一生に一度だけの死体解剖見学だった。一番の印象は、内臓の匂いの臭さである。その匂いの臭さは未だに忘れられないほどである。
 「お医者さんは、あの匂いが我慢できるのですか」と誰かが聞いたところ、「ああ、慣れますよ。私たちは全然感じません」とおっしゃったのが印象的だった。「そうか。あんな凄い匂いでも慣れるんだ」と妙に感心した。
 その後、修習生同士で、飲みに行ったが、5人中2人が「全く食べられない」と言って、何も口にしなかった。
 私は、全部いただいたので、相当神経が図太いのかもしれない。

 弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)