銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

二回試験

 二回試験でも、要領の良さが出てくる。
 検察では起訴にする。検察起案では、起訴猶予ということは、まずあり得ない。刑事弁護では無罪の弁論にする。そうでないと、刑事弁護の意味がない。刑事裁判では、有罪の結論にする。検察が起訴した事件は99.5%有罪である。検察が自信を持って起訴した以上、無罪ということはあり得ない。
民事裁判及び民事弁護は、予め結論は出せない。
 ところが、昭和46年の実際の刑事裁判の問題をみると、事案は、ひき逃げの事案で、殺人罪で起訴した事案であった。無罪か有罪かが実に微妙であり、今でも無罪の結論だったのではないかと思う。余ほど無罪の判決を書こうかと思ったが、上記のとおり方針通り有罪の判決を書いた。

 断っておくが、上記は、二回試験だけのことである。実際の刑事裁判においては、虚心坦懐に事案を見て、有罪か無罪かを決めていた。したがって、無罪にした事件も何件かある。そのことは、銀座ファースト法律事務所の公式ブログでも述べたとおりである。
 二回試験では、口頭試験もあったが、何とか合格することができたのではないかとの感触を得た。
 これが、人生で最後の試験であった。

 弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)