銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

金沢その4 歓迎会

 今では考えられないことであるが、当時の飲み会は、カラオケで歌うのではない。皆、得意の芸を披露して座を盛り上げるのである。
 金沢地裁刑事部の歓迎会は、4月の末ころであったと記憶する。
 ビール瓶をマイク代わりにして、森進一の歌を歌うSさん。いい声で当時流行りだした「私の城下町」を歌うEさん。軍歌を歌うTさんやKさん。歌に合わせて踊りだすOさん。
 「田中判事さん。今度は、判事さんの番ですよ」「田中判事。歌ってくださいよ。頼みますよ」
だんだん、私の方に矛先が回ってきた。
 「ただの歌では面白くない。それじゃあ、あれをやってみるか」こころの中でそう思い、高校3年生のときに私たちが発明したオリジナルの「応援ドジョウすくい」をやることにした。
 「それじゃあ、『応援ドジョウすくい』をやらせていただきます。まずは、1拍子、2拍子、3拍子を練習します」ということで、1拍子、2拍子、3拍子を順に練習し、「それでは本番をやります」と言って、「応援ドジョウすくい」を実演した。

 結果は大受けで、笑い転げている人が続出した。
 裁判官で今までこんな隠し芸をした人は、おそらくいなかったのであろう。ある書記官から「いやあ、度肝を抜かれました。本当に面白かった」と言われたのが、すべてを物語っていると思った。
 それから、宴会の度ごとに「応援ドジョウすくい」をリクエストをされるようになった。
 そして、私は、書記官や事務官などの職員の人と一気に打ち解けた。そして、職員は、私のことを金沢の職場の仲間として受け入れてくれたのである。

 弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)