銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

金沢その3 兼六園と裁判所

 金沢地方裁判所は、金沢市丸の内にあり、金沢城の真下にある。そして、日本三大名園の1つである兼六園は、裁判所から歩いて5分の位置にある。当時は24時間無料開放されており、お昼休みに散歩することもできた。
 赴任してまもなくの土曜日のことだった。主任書記官Mさんが私に向かって、
 「田中判事さん、折角ですから、兼六園に無茶苦茶に詳しい事務官のSさんに、午後兼六園を案内してもらいましょうか」と言ってきた。
 私は、当時「判事補」なので、「判事さん」と言われることに少し抵抗があったが、皆がそのように呼ぶので訂正をしないことにした。

 裁判長に聞くと、「午後は、休みなので、ゆっくり見学していらっしゃい」とおっしゃった。私は、「では、お願いします」と言い、昼食後、裁判所事務官のSさんに案内してもらうことにした。
 当時、裁判所も土曜日は半ドンであり、午後は休みだった。
 Sさんは、兼六園の坂を上りながら、「兼六園は、宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六つを兼ね備えておりますので、6つを兼ね備えた名園ということで、兼六園といいます。右手に見えるのは金沢城の石川門です。この石川門から、石川県という県名が生まれたものと思われます。」「これが琴柱(ことじ)灯篭といい、琴の糸を支える琴柱の形に似ているので、琴柱灯篭というのです。」などと、立て板に水を流すように、「霞が池」「雁行橋」「栄螺山」「日本最初の噴水」などを次々と説明していただいた。
 「本当は、全体について2時間、石について2時間、木について2時間の6時間話せますが、今日は、この程度にしておきましょう」ということで、立て板に水の2時間のご説明を聞き終えた。
 それから、何回も兼六園に行ったが、その際に、観光バスのガイドさんの説明を聞いて、Sさんには到底及ばないが、私も1時間くらい主要な説明をできるようになり、親戚や友人が来たときに説明をしてあげた。

 私も、他の名園も訪ねたが、兼六園は、本当にその中でも一番の名園であり、日本一の名園ではないかと思っている。

弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)