金沢33 結婚そして長女の誕生
私は、昭和45年11月、司法修習生の後期修習のときに結婚しました。
2人とも若かったので、「しばらく子供は欲しくないね。2人だけの時間を楽しく過ごそうね」と話し合いました。
そして、次の年の昭和46年4月、金沢への赴任の支度をしている最中、妻の体調が悪くなり、近所の医者に行きました。
医者は、「おめでたです。おめでとうございます。」というのです。
私にとって、正に晴天の霹靂でした。まさか子供が生まれるとは夢にも思わなかったからです。しかし、そのときの嬉しさは、例えようもありません。
しかし、次に、心配なことがありました。「妊娠3か月なので、東京から金沢までの長旅をしても大丈夫か」ということです。医者は、「あと1か月あれば安定期だけど、行きますか?」というのです。
私は、「1か月遅らせたら」と思い、妻に提案しましたが、「どうしても行く」と言ってきかないのです。
2人とも若かったのでしょう。結局は流産覚悟で金沢へ行くことにしました。
結果的には、流産もせず、無事金沢に着きました。
そして、その年の12月、無事長女が生まれました。今は、生まれる前に性別が分かるそうですが、当時は、生まれるまで性別は分かりません。他の人が「絶対に男の子だ」と言いますので、2人とも男の子だと信じ切っていました。
病院で、「お嬢さんですよ」と聞いたとき、本当にびっくりしましたが、母子共に健在だったことで、ほっと胸をなでおろしました。
弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清