銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

映画「絶唱」を見て その2

絶唱」はBSプレミアムで放送された映画で、三浦友和山口百恵が主演の映画です。作者も監督も反戦映画として公開したそうです。
山陰の大地主の息子と貧しい山番の娘が愛を成就する物語です。2時間の映画ですが、短く切って伝えますので、十分物語が伝わります。

戦争という悲劇、封建制度、地主制度、さらには家父長制度への提言が込められています。
山深い山陰の小さな村が舞台です。最初の場面で結婚式の人力車の行列が出てきます。花嫁は本当に綺麗な人だったというナレーションが流されますが、「後に分かったことですが、花嫁は、そのとき既に死んでいたというのです。」というナレーションでした。最初に結末を言う映画は珍しいですね。
結末を最初に言っていいのかなあと思いましたが、全編を見終わったとき、こういうやり方もあるのかと、思いました。
次の場面で、小雪が泣きながら山を降りていきます。そして両親に「旦那様と若様が喧嘩した」と泣きながら告げます。そして、その喧嘩の原因が私(小雪)だというのです。
旦那様は、山をいくつも持つ「山園田」と呼ばれる大金持ちであり、小雪のお父さんは、山園田に仕える貧しい山番なのです。


要するに、旦那様は、若様の順吉に対し、隣村の立派な家柄の令嬢と結婚せよと迫りますが、若様は、山園田の跡取り息子で、その時は、京都の高等学校(おそらく第三高等学校)に通う学生でした。若様は、旦那様の勧める結婚話をきっぱりと断り、山番の娘の小雪と結婚したいとはっきりというのです。
小雪は、順吉からの求愛を断ります。順吉の求愛を断ることが、順吉にとっての最も幸せな道だと信じてのことです。


若様の園田順吉は、跡取り息子の地位を捨て、小雪を連れ、駆け落ちし、鳥取砂丘近くの小さな借家で暮らし始めます。そして、魚の行商をしたり、木材を運んだりして、必死になって働きます。
しかし、家に帰れば、ぐったりと疲れて小雪の膝枕で寝てしまうという毎日が続きました。

 

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清