銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

映画「絶唱」を見て その3

一方、山番は、「園田」の旦那様から仕事をもらっている身ですので、窮地に立たされます。近所の人も知り合いの人も、すべて「園田」の旦那様から仕事をもらっている人たちなのです。


小雪の母親が親しい近所の人に、醤油を借りに行ったときも、「園田」の旦那様に遠慮して、それを断られます。「まるで村八分だなあ」と小雪の父親が嘆きます。小雪の父親が「園田」の旦那様に誤りに行っても会ってもいただけません。その上、小雪小雪の母親がキツネか蛇との間に生まれた子だとの悪口を流されます。


順吉と小雪の二人は慎ましやかに暮らしますが、遂に、順吉に召集令状が来て、順吉は戦争に行かざるを得ないことになってしまいます。順吉は小雪に対し、「必ず帰ってくるから待っていてくれ」と約束して、戦争に行きます。


小雪は、生活を支えるために、男のような材木運びなどの重労働をしますが、もっと楽でお金になるという話を受けて結核病院の非正規看護婦になります。
そして、小雪は、当時不治の病であった結核に侵され、病の床についてしまいます。
そうしたとき、園田の旦那様が脳溢血で死亡します。


小雪は、病の床についていましたが、園田の旦那様が死亡したので、小雪の両親は、小雪のところに見舞いに来ます。
それからしばらくして、順吉が戦争から帰ってくるのです。
小雪は、いつか知れない命ですので順吉が戻る前に死んでも不思議はないのですが、順吉が帰り、小雪の手を握り何言か会話を交わし、死んでいきます。
そのしばらく後、順吉はこう話します。
「私たちは、結婚式を挙げていません。園田の家で結婚式と葬式を挙げたい。馬鹿なことだと皆様はおっしゃるかもしれませんが。」
それで、小雪に花嫁衣裳を着させて、園田の家に帰るのです。冒頭のシーンがそれです。


そして、結婚式を挙げ、三々九度の盃を交わし、晴れて園田の嫁になり、園田のお墓に入れて上げたいというのです。
順吉は、村人に、「園田の跡取り息子になるために帰ってきたのではない。園田の財産は寄付したい」と言います。
そして、エンディングは、順吉が小雪を抱いて山の奥へと進みます。
この後、順吉が、後追い自殺をしたのかどうかも分かりません。

 

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清