銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

金沢28 フェーン現象

 金沢2年目の7月終わりのころだったと思います。
 ニュースで、「明日はフェーン現象で、暑くなるでしょう。強い風に注意してください。」旨の注意がありました。
 私の、中学校の理科の知識では、フェーン現象とは、「夏の日本海側でよく発生する現象で、非常に暑い風が吹く」旨の知識だけで、太平洋側に住んでいた私には、どのようなものかは、全く想像もつきませんでした。要するに、夏の南風が太平洋側で雨を降らせ、日本海側に乾燥した暑い風を吹かせるのです。現在では、熊谷市館林市の記録的な暑さが有名ですが、そのころの日本の暑さの最高記録は、いずれも日本海側の富山、新潟、山形などで、40度近い暑さの記録でした。
 私は、裁判所官舎の広い庭に畑を作り、キュウリとトマト等を植えていましたが、作り方が下手なのかなかなかうまく作物は採れませんでした。
 そして、いよいよフェーン現象当日になりました。朝から乾燥した熱い強い風が吹き、気温はどんどん上がります(暑い風というより、熱い風という方がピッタリとしています。)。その日は日曜日で休みでしたが、じっとしていても暑くてたまりません。正に「のたうちまわる」ような暑さです。
 「これがフェーン現象か」と思いました。
 夕方になって風が弱くなりましたが、暑さは変わりませんでした。
 広辞苑を開くと、フェーン現象は、「風炎現象」と出ておりましたので、フェーン現象というのは、日本で名付けられたのかと勘違いしましたが、正に「炎のような風が吹く現象」ですので、ピッタリの当て字だと思いました。そういえば、「台風」も「タイフーン」の当て字なんですね。この台風と風炎現象は、当て字の中でも秀逸ではないかと思います。
 フェーン現象の暑い風で、かねてより元気がなかった我が家の畑のキュウリとトマトは枯れてしまいました。それから2週間、全く雨が降りません。そのとき、九州西岸を台風が北上し、日本海側を東北東に進むであろうという予報がありました。
 私は、「台風が来れば、相当雨が降るだろう」と思い、期待しておりましたが、これは、太平洋側に住む人の感覚だということが当日になって分かりました。
 日本海側では、台風が来ても雨が降らないで、フェーン現象を引き起こすのです。台風の目に向かって強い南風が吹き、日本アルプスを越えて太平洋側に雨を降らせ、日本海側には乾いた暑い風が吹くという、正に「フェーン現象」が起こってしまうのです。

  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)