銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

金沢その9 職員との交流その2

 職員のJ課長さんが、私に言った言葉がある。
 「私は、田中さんの前のK判事さんと喧嘩したことがあります。K判事は、私に命令口調で『・・・・をやってくれ』と言ってきたので、私は、『そんなことを急に言われたって予算もないし、そんなことはできません』と言って断りました。しかし、K判事は、ますます命令口調で、『何でできんのか。それをやるのが課長であるあんたの仕事やろ』というのです。そして、最後には、『お前ようなやつは首にしてやる』とまで言うのです。私は、呆れました。『K判事一人で私を首にできるんやったら、やってみい』という心境でした」
 私は、「そんなことがあったんですか」というだけであった。
 J課長は、最後に、「田中判事さんから、同じことをやれと言われたら、一生懸命やりますよ。やって見せますよ。しかし、K判事のように人事権を振り回して命令口調で言われたら、やれることでもやりたくなくなります」と笑いながら言った。
 このとき、私は、職員の魂を感じた。このことは、社会生活においても同じである。

 私は、第1に、職員に物事を依頼するときは、命令口調ではなく、「こういうことで困っているのですが、やっていただけませんか」と丁重に依頼すること、第2に、日頃から職員と仲良くし、信頼関係を築いておくこと、第3に間違っても人事権をちらつかせないことである。第4に第1ないし第3のようなことを守っていれば、職員は、自分から「田中判事さんのために」と思って、無理なことでもやってくれることがあるということは、後日の裁判所生活又は法務局生活で、何度も経験したことである。
 
  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)