銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

尼崎その11 少年事件の終了

 尼崎で少年事件を担当していたのは、私が26歳から27歳に掛けてのころです。私も前髪を垂らした少年のような風貌でしたし、大阪弁でしたので、少年とは直ぐに打ち解け、少年の方から親しく話をしてくれのが印象的です。
 少年っぽい裁判官なのに少年事件で年間2000件もの事件を担当していたというのは、第三者からみたら驚きのことだと思います。
 私は、このころ、「まだまだ未熟者であり、自分が人を裁くなんてできない。」と思いながら、「仕事だから」という思いで、1つ1つの事件を一生懸命に、情熱を傾けておりました。
それには、良く記録を読むことです。当該少年にとって、どのような処分が良いのかについて、裁判所調査官と心ゆくまで議論しました。
 各地の試験観察の受入施設5箇所、少年院施設全部、少年鑑別所など、調査官が「見た方がいいですよ」という施設には、全部行きました。
 特に少年院は、私が送致した30名近くの少年に対し、全員面会に行きました。
 交通事件を犯した少年に対して、裁判官1名、調査官3名、書記官2名、少年30名くらいで、芦屋市の山手の宿泊施設で1泊2日の合宿をし、討論会や反省会をしたり、質問を受けたり、交通関係の講義を聞いたりしました。交通関係の講義をしていただく人は、元警察官上がりの話の上手な方で、私も随分勉強にになりました。
 こうして、尼崎支部1年間で、少年事件とお別れすることになりました。

  弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清