銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

「盲導犬クイールの一生」その4

クイールは、身体が弱ってきた11歳過ぎにパピーウオーカーの仁井さん家族に引き取られます。やっとクイールは、生まれ故郷に帰ってきたのです。

 仁井さん一家はクイールを大歓迎し、「もう働かなくてもいいんだよ。好きなように過ごしてね。」と言います。

 散歩にも連れていきますが、クイールの思うように歩かせます。1歳の誕生日に連れてきた堤防に座り、奥さんは、「くーちゃん。ここ覚えてる?1歳の誕生日には、ここでいっぱい遊んだよね」というのです。

 家に帰っても、ゆっくりと庭で遊び、懐かしい子熊のピーちゃんとも遊びます。やっぱりクイールは、子熊のピーちゃんのことも覚えていたのですね。


 そして、毎日、仁井さんのもとで、安らかな時を過ごし、12歳半になったころ、仁井さんの家の縁側に頭をぶつけるようにして、そのまま倒れ込みます。

 「くーちゃん。どうしたの?」という仁井さんの奥さんの問いかけにも、クイールは答えず、そのまま眠るように息を引き取ります。

 奥さんは「くーちゃん。長い間、本当にご苦労様やったね。安らかに眠ってね。」と何度も何度も声を掛けます。

 こうして盲導犬クイールは、その一生を終えます。

 

 このクイールの最期を見たとき、私は、富士山にある、盲導犬の訓練施設(富士ハーネス)に見学に行ったときのことを思い出します。

 この富士の盲導犬の訓練施設は、盲導犬が生まれてから、その訓練の様子、そして盲導犬の役目を終えて死ぬときまでの生活を見学するのです。

 この場所は、上九一色村のオーム真理教の施設があったところと聞いておりますが、富士を目の当たりにした3~5ヘクタールの場所にあります。


 東京虎ノ門ライオンズクラブは、このような盲導犬の育成を援助する活動をしております。もし、ご興味があれば、私の事務所(銀座ファースト法律事務所03-3538―1011(田中清))や東京虎ノ門ライオンズクラブ事務局( 03-3721-2925  e-mail: toranomon-lions@f04.itscom.net)

まで、お問い合わせください。よろしくお願い申し上げます。

 


銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

 

「盲導犬クイールの一生」その3

クイールは、盲導犬協会の訓練センターに送られます。そこで、盲導犬としての基礎訓練を学ぶのです。

 障害物、段差、角(コーナー)を十分教え込みます。

 あるとき、所長がクイールと訓練中、電話が掛かり、クイールを座らせて、その後「ウェイト」(待て)と命じます。所長がクイールに「待て」と命じたことを忘れ、電話を終えて他の犬と訓練を始めたのですが、クイールの姿を見て、「お前ここで何してんのん」と声をかけたとき、自らが「待て」と命じたことを思い出し、「グーッド」と言って、いっぱい褒めます。


クイールは、「ウェイト」(待て)という命令を守り、ずっと待っていたことは盲導犬として、非常に大事なことですので、所長は、「クイールは。盲導犬になれるかもしれないね。」と最大限の誉め言葉を言います。さらに、所長は、「クイール、鳥の羽の痣がかっこいいね。」「足も長いね。」「美男子だね。」といろいろと褒めます。

 それから、路上訓練に出て。障害物、段差、角を徹底的に教え込みます。

 

 そして、3カ月ほどして、盲導犬ユーザーの渡辺さんにクイールを預けることにします。

 それから約2年ユーザーのところで過ごしますが、次第に渡辺さんは病魔に侵され元気がなくなっていきます。そして、ついに入退院を繰り返すようになります。

 クイールは、渡辺さんの子供の悦男君は「クイールを家で飼ってはいけませんか」と聞きますが、結局クイールは、訓練センターに引き取られ、子供たちに対する盲導犬の実演(デモンストレーション)犬として活動します。


 そして、3年後、ユーザーの渡辺さんは亡くなります。葬儀に出席したクイールは、棺桶に寝ている渡辺さんを見て、寝ていると思っていたのでしょうか、不思議そうに見ておりました。

 それから数年間、クイールは、盲導犬としてではなく、デモンストレーション犬として活動し、身体が弱ってきた11歳過ぎにパピーウオーカーの仁井さん家族に引き取られます。

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

「盲導犬クイールの一生」その2

3カ月ほど経ったころ、子犬は、パピーウオーカーの仁井家のもとに預けられます。仁井家の人たちは、関西の人のようで、会話はすべて関西弁です。子犬は、鳥の羽のようなアザがあったので、鳥の羽を意味する「クイール」と名付けられます。名付けをするのは、パピーウオーカーの方たちの権利です。

飛行機に乗って行ったので、クイールは、少し疲れ気味です。しかし、仁井家の笑顔いっぱいの人たちに迎えられて、クイールは本当に幸せそうです。


ここでは、子犬が人間と仲良く、人間の愛情を感じてもらうというのがその目的です。

最初に盲導犬協会の人は、「どんなことをしても、叱らないでくださいね」と注意します。仁井家の人は、パピーウオーカーとして、クイールは3頭目だと言います。

 仁井家は、広いお庭のある家でそのお庭でクイールは、いたずらいっぱいに遊びます。


特に気に行ったのは子熊のピーちゃんのぬいぐるみです。クイールがピーちゃんを噛むと、ピーちゃんは、「ピー、ピー」と泣きます。それが面白いらしく、クイールは庭に連れて行って何時間も遊ぶのです。


仁井さんの夫婦には、子供さんがいないのでしょうか? 奥様は人間の子供に話しかけるように、いろいろと話しかけます。「何、笑おてんのん」「くーちゃん。この木は桜の木やで、今年はほんまに綺麗やったで。」、女子高生を指して、「あの娘らは、『女の子』やねん。お母さんも昔は女の子やったんやで」、草むらに入って蛇を見て、「あれ、蛇やない。怖い、怖い」、「あと3カ月でお誕生日やなあ」「お誕生日には、桜見に行こな」という具合にです。


お誕生日になると、盲導犬協会の人が迎えに来ます。盲導犬協会の人が迎えに来る直前の日曜日に、お母さんは、お父さんと一緒に、クイールと長い長い散歩をします。満開の桜の堤防を、ゆっくりゆっくりと歩きます。

「あと、2日したらお誕生日やなあ。嬉しいか」「そうしたらもうお別れやなあ」「くーちゃん、何、笑おてんのん、人の気も知らんで。」「クーちゃん、長いこと歩いて疲れたか?よう頑張ったなあ。」

 二日後盲導犬協会の人が来て、クイールを自働車に乗せます。クイールは、仁井さんたちを見て「何で一緒に乗ってくれへんねんやろ」と思っているようです。クイールは、泣かないのですが、本当に悲しそうな顔をして、仁井さんたちを見つめています(つづく)。

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

 

「盲導犬クイールの一生」その1

盲導犬クイールの一生」は、 石黒謙吾さん及び秋元良平さんの共著で、文藝春秋 社から出版され、その後、NHKドラマ化され、さらに映画化もされました。映画の題名は「クイール」です。

 私は、NHKBSプレミアムの「クイール」との題名で放送された映画を、録画に撮り、見せていただきました。

 私は、東京虎ノ門ライオンズクラブで、盲導犬の育成募金活動をしています。したがって、日本盲導犬協会の人たちとも親しく、盲導犬の育成募金活動をしており、映画の中にもしばしば出てくる盲導犬訓練士の多和田悟さんとも親しくさせてもらっております。

 

 ブリーダーの水戸家夫妻の下で5匹のラブラドル・リトリーバーの子犬が産まれました。水戸さんは、早速、多和田さんに電話を掛け、「どうしてもこの子らを盲導犬にしたい」と申し出ます。

 多和田(訓練士)さんは、「母犬が家庭犬であるので、血統からいって盲導犬には向かない」と言って申し出をお断りします。水戸さんは、「5匹とも、とっても賢い犬だから是非盲導犬にお願いします。」とおっしゃって、引き下がりません。

 多和田さんは、水戸さんの熱意に負け、「じゃあ、1頭だけですよ。」と、仮に引き受けます。水戸さんは、「どのようにして、1頭だけを選り分けたらいいのですか」と聞きます。そうすると、多和田さんは、「5頭に向かって、大きな声で『おいで』と呼び掛けてみてください」とおっしゃいました。水戸さんが5頭の子犬に『おいで』と呼びかけますと、4頭はすぐに水戸さんのところに来ましたが、後に名前を付けてもらった「クイール」だけは、遅れて来たのです。


 多和田さんは、「呼んで直ぐに来る子は、考えものです。盲導犬に向く子は、はしゃぎすぎない。声や音に反応しすぎないことが大事です。」「後で来ても飼い主の眼を見て「なに?」と尋ねるような子が向いている子です。」とおっしゃるのです。

 私は、東京虎ノ門ライオンズクラブの活動をしていて、上記のような話を聞いたことがあります。

 あるメンバーの方が、「盲導犬になれなかった子犬がほしいので、日本盲導犬協会の人に聞いてみてくださいませんか」と聞かれたので、私は、「分かりました。聞いてみてあげましょう」と言い、日本盲導犬協会の方に聞いてみました。

 そうすると、10頭の子犬が産まれても、その中でも盲導犬になれるのは、3頭か、4頭だけで、あとの6~7頭は盲導犬にはなれないのです。どうして盲導犬になれないのか、それは、上記多和田さんがおっしゃったように、余りにもはしゃぎすぎる子、他の犬から吠えられても一切これに応じない冷静な子が求められるのです。しかし、犬としては賢いし、訓練も受けていますので、犬が好きな人には非常に理想的なのです。


 しかし、日本盲導犬協会の方は、「家に誰かいらっしゃいますか。留守がちな方はお断りしています。それから、日本盲導犬協会も財政的に苦しいので、1頭につき、3万円~5万円を寄付してもらえませんか」というものです。そのメンバーの方は、留守がちだということで、結局辞退されました(つづく)

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

淡路島の「地球最悪の侵略的植物」について

タイトルにありますその植物の名は、「ナガエツルノゲイトウ」という、南米原産の多年草であり、茎は空洞で水に浮き、流れ着いた先で繁殖するということです。陸地や海浜でも育ち、引き抜いても、土中深くまで伸びる主根がわずかでも残っていると再生するということです。


このように、淡路島の住民が頭を悩ませているのが地球最悪の侵略的植物であり、 わずか2mmの根が残るだけでも再生する繁殖力を持っているそうです。また、「ナガエツルノゲイトウ」は、水草にも関わらず、陸地でも繁殖するそうです。 池の水面にびっしりと生え、生態系や稲作への悪影響が懸念されているのです。「ナガエツルノゲイトウ」は、周辺にも拡大しつつあり、住民らが駆除に乗り出しました。


「ナガエツルノゲイトウ」は、塩分や乾燥にも強く、わずかな茎や根からも増殖し、広がると在来植物の成長を阻害し、水田では稲の収穫量が落ち、茎や葉が水路に詰まり、他の作物への被害や水害につながる恐れもあるということです。


 尼崎、伊丹両市のほか、琵琶湖(滋賀県)や印旛沼(千葉県)など国内各地で確認されているそうで、ブラックバスなどの生息地で見られることが多いため、釣り人が媒介している可能性もあると指摘されているそうです。


 本植物の繁殖が確認された淡路島本田池では、本件草が、水面の約6割を覆っているということですが、完全な除去は難しく、運搬の過程で拡散する危険性もあるそうです。このため、本田池では、光合成を妨げて本件草を枯死させる駆除法を選択しました。住民らは、排水口付近の約100平方メートルを遮光シートで覆い、池の外へ流出しないよう周辺を網で囲ったということです。


「ナガエツルノゲイトウ」は、特定外来生物に指定されており、許可なく植えたり移動させたりすると、外来生物法違反罪に問われることになるということです。個人は懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金、法人だと1億円以下の罰金が科されると言います。しかし、駆除する住民が上記罪に問われることはあり得ず、有害であることを知りながら故意に持ち込んだり、植えたりした人を罰する法律であり、駆除作業をする住民が罪に問われることはあり得ないでしょう。



銀座ファースト法律事務所  弁護士 田中 清


アミメニシキヘビ失踪事件

アニメニシキヘビが失踪してから17日目の5月23日に飼い主が住んでいた部屋の屋根裏ら、件のアニメニシキヘビが見つかったというニュースに湧きました。

人もヘビも誰も怪我をすることなく、無事にヘビが保護されたことは、本当に良かったと思います。

 飼い主さんは、ヘビが逃げた当初から、会社を休み、率先して捜索に協力しました。

 飼い主さんの苦境を知ったヘビマニア仲間が捜索協力に駆けつけると、「本当にありがたい気持ちでいっぱいです」と感謝の気持ちを表現しました。

 

 結局、ヘビは、17日目に見つかったのですが、飼い主さん宅のベランダに出て、樋を伝って自宅の屋根裏に潜んでいたところを保護されたということです。

 私は、ヘビがお腹を空かせていたのかどうか心配しましたが、以前にニシキヘビは、2週間~3週間食べなくても大丈夫と聞いたことがありましたので、大丈夫かなと思っておりました。

 屋根裏からみつかったとは、正に「灯台下暗し」の結末でしたね。

飼い主さんは、ペット禁止の賃借住宅におられましたので、賃貸人からの解除を受け入れ、3匹のヘビ達も、爬虫類の業者に譲渡するということでした。

飼い主さんは、会社を休んで捜索に参加し、結局、賃借住宅を明渡し、可愛がっていたペットのヘビをすべて業者に手放すなど大きな犠牲を払いましたね。

インターネットでの反響も、当初は非難一色でしたが、見つかってからは、飼い主さんに同情的な感想を述べている人が多かったことが印象的でした。

 

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清

 

中国の食べ残し禁止令

飲食店などでの食べ残しが問題となっている中国で、料理を注文しすぎた客に店側が食べ残した分の処分費用を請求できるようにすることなどを盛り込んだ法律が可決されたそうです

私も、約1年前に中国に行きました。そのときは、私中国出身の友人Sさんも一緒でしたので、本当に楽しい旅行ができました。

今回のテーマに関係がある出来事として、丁度万里の長城に観光に行ったときのことでした。私たちの一行は8人くらいでしたが、Sさんが8人では食べきれないほどの料理を注文されたので、私が、「いやぁ、食べきれないんじゃないですか。」といいますと、Sさんは、「中国の店の人は、残すくらい注文してくれると喜ぶんですよ。食べきれなかったら残しましょう」とおっしゃるのです。

この度、中国で食品の浪費を禁じる「反食品浪費法」(食べ残し禁止令)が可決され、飲食店で料理を注文しすぎた客に店側が食べ残した分の処分費用を請求できるようにするほか、飲食店に対しても、客に大量に注文させた場合には最高で1万人民元、日本円で16万円余りの罰金を科すことができるのだそうです。

そのときは、Sさんが経営されている会社の新工場を天津に建築されたので、その竣工式に招待されたというのが、公式の旅行でした。

そのときの天津の竣工式は快晴のもとでお祝いしましたが、爆竹を焚いたことが印象的でした。Sさんは、「中国では、お祝いのときは、いつも爆竹を焚くのですよとおっしゃったのが印象的でした。それと、現地の工場長の人が、「今日は本当にいい天気です。半年ぶりだと思います。」とおっしゃっておりました。当時の中国は空気が悪く、喘息が起こっていることが日本でも有名でした

それから、しばらく歩いて運河があるところに行きました。

そこで、「この運河は、隋の時代に掘った運河なんですよ」とおっしゃいました。歴史で勉強した紀元600年くらい(今から1400年くらい前)に煬帝が掘らせた運河が目の前にあると思うと本当に感激したことを昨日のことのように思い出します。

銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清