銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

中学校その4

中学1年生の3学期のことだった。
 私の家の長兄は、成績が良かったが、府立春日丘高校卒で大学に行けず、夜間大学に通っていた。「農家の長男が大学に行く必要はない。」という父の方針だったが、大学に行かせるお金もなかったのだと思う。
 長姉は、以前に書いたが府立茨木高校を受験したが、失敗して私立高校に行った。
 次兄は、長姉の失敗に懲りたのか、茨木高校や春日丘高校のような進学校に行かず、比較的易しい府立島上高校に行った。次兄は、長兄が大学に行けなかったので、自分も大学には行けないと思い、大学受験勉強もせず、柔道部に入り、部活に明け暮れていた。
 次兄が高校2年の3学期に、母が父兄懇談会に出たところ、担任の先生から「田中君は、学年で1番の成績です。次男なので、なんとか大学に行かせてやってもらえんでしょうか。」と言われたということだった。
 家に帰って、父母と長兄が話し合ったところ、長兄が「やはり、大学は出ていなければ駄目だ。自分は行けなかったけど、國雄ちゃんには行かせてやってほしい。」と主張したのである。長兄は、一流企業には就職したが、大学を出ていなかったため、生涯係長以上にはなれなかった。
 父母は、長兄の意見を取り入れて、次兄を呼び、「大学を受けてみてもよい。その代わり、国公立でないと駄目だ。浪人もさせない。」と伝えたのである。次兄は、思いもしないことだったので、非常に喜び、その日から猛勉強をし始めた。
 そして、1年の勉強を経て大阪市立大学に合格した。

 そのころ、我が家はテレビを購入した。購入したては、どの番組も非常に面白くて、毎日、4時間以上も見ていた。
 兄にとっては、テレビは勉強の邪魔で、勉強部屋から出てきては、声を小さくしたが、兄が部屋に戻ると音を大きくして聞いた。思えば悪い弟である。