銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

高校その7 文化祭

 読書研究部と図書部の部長として、私は、2つの文化祭を仕上げなければならなかった。
 図書部は、「日本の農業」をテーマに取り上げたが、余りにもテーマが大きすぎて、どう手を付けて良いか分からなかった。社会科の教科書や図書館で調べた農業の統計資料をもとに、なんとか形にしたが、はっきり言って失敗だった。

 読書研究部のテーマは、「日本と韓国」を取り上げた。このテーマは、晶子先輩が言い出したことだった。晶子先輩は、自分が在日韓国人であること、被差別部落に居住していることを自ら明らかにした。そして、晶子先輩は、「日本と韓国」を文化祭で取り上げてほしいと熱く語ったのである。
 前にも書いたが、晶子先輩は美人である上に、演説がうまかった。私は、晶子先輩に憧れていた。それは、尊敬の心であると同時に、恋心でもあったかもしれない。しかし、明らかに恋心よりも尊敬の念の方が優っていた。私は、「日本と韓国」の歴史の本を読み漁り、それをどのように表現するのかに心を砕いた。
 しかし、準備期間が短かったこと、テーマが大きすぎたこと、読書研究部と図書部のかけもちだったことも災いして、満足する結果は得られなかった。しかし、余り深く勉強してこなかった韓国のことを興味を持って勉強したことは良かったと思う。
 当時の日本では、一般的に韓国人差別が横行していた。しかし、この勉強の中で、また、晶子先輩への尊敬心と恋心のお蔭で、人間が他の人間を差別することは恥ずべきことだという心が私の中に根付いた。それ以降、私には韓国人差別の心、部落差別の心も芽生えることはなかった。

 文芸部が当時、文化祭で何をしたのかの記憶はない。おそらく文集を出し、私はそれに投稿したことは確かだが、すべて博子部長に任せていたので、印象は薄い。

弁護士 田中 清(銀座ファースト法律事務所)