銀座ファースト法律事務所所長のつぶやき

弁護士田中清のブログ。最近気になることや、趣味のことなど雑記。

高校17 飛込み台

 模擬テストの成績は、私を強く勇気付けた。もちろん、今のままでも京都大学に入れる点数だが、英語の成績が100点満点で40点くらいと、まだまだ悪かった。英語さえあと少なくとも30点上げれば、京都大学を楽に合格できる自信が付いたからである。

 茨木高校に、10メートルの高さの飛込み台があったことは、前に述べた。日本の高校で、プールに10メートルの高さの飛込み台がある高校は、ほとんどないだろう。水泳大会が終わり、2学期に入って間もなく、クラスメイトの岡本進(スーちゃん)が、私に向かってこう言った。
 「清さん、飛込み台から飛び込む気があるか。折角、茨高に入ったんやから、飛び込もうや」
これを聞いて、私は、2つ返事で、「よっしゃ、飛び込もう」と答えていた。
 9月第1週の放課後だったと記憶している。プールの周りには、私とスーちゃんの2人だけだった。水着に着替え、まず7.5メートルから飛び込むことにした。
 7.5メートルはかなり高い。思わず足がすくむほどである。しかし、まず私から飛び降りた。滞空時間は3秒ほどか、随分長く感じた。水面が足にわっと近づいてきた。その後は、水の中である。飛込み台の下は、怪我をしないように、5メートルほどの水深があると聞いていた。次に、スーちゃんの飛び降りる音が聞こえた。
 さて、次は、10メートルの高さである。私が登ろうとすると、スーちゃんが、「清さん、もう止めとこうや。怖いわ」というのである。私は、「それでは、何の意味もあらへんやろ。やろうや」と言って、先に登って行った。10メートルは、7.5メートルよりは、少し高いと思ったが、思ったほどの差はないと思った。校舎の3階と同じくらいだろうか。阪急電車茨木市駅が右手近くに見えた。
1分ほど景色を眺めていたが、「よし、俺が先に行くぞ」と言って私から飛び降りた。やはり、滞空時間の長さを感じた。水の中に入ったとき、「よし、やった」と思った。私が、プールサイドに上がるころ、スーちゃんが飛び降りた。
弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)